ズッコケ三人組

ズッコケ三人組が好きだ。
誰もが一度は読んだことがある、児童文学の金字塔。
50巻全て読んでいるし、ズッコケ中年三人組+ズッコケ熟年三人組の11巻も全て読んだ。
小学生の頃はファンクラブにも加入していた。
本の巻末に付いてるテストを解いて郵送して、合格点を取れると加入できるやつ。
あのテストって記述式だったし、当時どれくらいの量が送られてきてたのか知らないけど、結構採点大変だったんじゃなかろうか。
テストには無事合格して黄色いファンクラブの手帳が家に送られてきた。
 
自分の読書の原点はズッコケ三人組かもしれない。
初めて読んだのは小学校3年生くらいだったと思う。
同じクラスの人が読んでいるのを見て、学校の図書室で借りて読んだのが最初だった。
一番最初に読んだのは、おそらく『それいけズッコケ三人組
別に意識してそうしたわけではないんだけど、最初に読むのがシリーズ1作目というのは素晴らしいね。
この作品は、他の長編作品と違って短編集みたいな感じ。
三人がそれぞれ主になる話があって、自己紹介的な感じもある。
それ以来ズッコケ三人組にハマって、図書館に通って手当たり次第に夢中で読んだ記憶がある。
 
物語の中でのリアリティとは、どれくらい重要なのだろうか。
自分はリアリティをそこまで重要視すべきなものではないと思う。
物語って、日常生活の中で「これ面白いな」みたいなのことを増幅させてまとめるようなイメージで、ある種理想の提示のようなものじゃないかと思う。
日常生活の中の「この瞬間いいな」という場面を煮詰めて再構成していく感じ。
そこにリアリティをあまりに求めすぎると、ただの「あるある集」みたいなものになるんじゃないかな。
自分にとっての「理想の提示」をしている作品がズッコケ三人組だと思う。
子どものときから友だちもいなかったから、親友との数々の冒険の経験なんてもちろんない。
親友がいて、学校外でも多くの時間を共有したという経験をした人もいるとは思うけど、あそこまでイキイキとして子ども時代を過ごした人っていうのも少ないと思う。
程度の差はあれど、多くの人にとってズッコケ三人組は「リアル」ではない。
全く非現実的というわけではないけど、実際にはなかなかない感じ。
この感じ最高じゃないかな。
どんな人でも誰もが物語に入り込むことができる。
ご存じのとおり、ズッコケ三人組は主人公三人のキャラがメチャクチャ濃い。
もちろんストーリーも滅茶苦茶面白いんだけど、あそこまでキャラが立っていると、ネタ自体はどうでも良い感じすらある。
あの三人が活躍するならば、舞台はなんだって良いというか。
その中でも好きな作品をあげるとすると、異世界系よりも身近な題材から発展していくものかな。
ズッコケ三人組の大運動会』
『緊急入院!ズッコケ病院大事件』
あたりが特に好き。
 
参考までに「50巻総選挙!」で上位の作品
1位:うわさのズッコケ株式会社
2位:参上!ズッコケ忍者軍団
3位:あやうしズッコケ探険隊
4位:ズッコケ時間漂流記
5位:ズッコケ山賊修業中
 
たしかに、株式会社は名作だと思う。
株式会社の仕組みをわかりやすく解説しているような側面もあって、この作品に限らずなんだけど、新たな知識が得られたりする。
ズッコケ三人組は児童文学の世界では異端で、子どもの支持は集めるけど、界隈ではあまり評価されていなかったなんて評判を見たりもする。
でも、面白くて勉強にもなるなんて、児童文学として最高なんじゃないか。
 
今手元には本がないから、kindleでちょこちょこ読み返したいな。