活動の幅がどんどん広がる芸人
芸人の活動の幅がどんどん広がってきている。
テレビ番組でも純粋なお笑い番組だけでなく、一見お笑いとは全く関係のない番組に芸人がキャスティングされているのも良く見かける。
テレビ以外でも、小説を書く芸人、音楽をやる芸人、政治について語る芸人等々他の分野への進出が目立つ。
他分野への進出は、笑い×〇〇のアプローチが可能となるため、これまでにないものが生まれる可能性がある。
世間でも「副業」ではなく「複業」の時代だなんて言われているので、専門分野にこだわらず色々な活動に手を広げていくのは良いことだと思う。
非芸人がお笑いに進出することを許さない芸人
お笑い芸人が見下されていた時代の反動
かつて、お笑い芸人の地位はとても低かった。
芸人の地位の向上それ自体は良いものだが、それとともに調子に乗る人たちが出てきた。
芸人の地位の向上は先人たちが少しずつ積み重ねてきたもので、もちろん一気に変わったわけではない。
ターニングポイントとして、芸人の地位を引き上げたうえに笑いを高尚なものという風潮を作ったのは、ダウンタウンの松本人志だと思う。
一つの職業の社会的地位を引き上げたという意味では、その功績は大きい。
しかし、副産物として必要以上に調子に乗る芸人を生み出してしまった。
当然ながら地位が上がれば、他分野の人を見下して良いということにはならない。
批評を許さない愚か者
SNSで一般の人の感想が容易に本人に届く時代だ。
芸人のネタやテレビ番組の感想をSNSに書き込む人も多い。
単に面白かった、つまらなかったレベルでなく、細かく批評している人もいて、なかなか読み応えがある。
しかし、それを読んだ芸人で「素人が笑いを語るな!」とか「お前がやってみろ!」と言ってしまう残念な人もいる。
そういう人に率直に言いたいことは、金輪際客の前で芸をやるなということだ。
芸人になった目的として大きいのは、「同業者に評価されたい」ではなく、「客を笑わせたい」というものだろう。
客にネタを披露すると、当然良い反応も悪い反応もある。
「素人」に笑いを評価されたくないのなら、同業者相手に披露して一生馴れ合っていれば良い。
「お前がやってみろ!」という言説については、客側は当然芸人と同じレベルでネタをできるはずがない。
何故なら、客は「芸」というサービスの受け手で、芸人はサービスを提供する側だからだ。
悪い評価が返ってきて、自分の仕事を放棄し受け手に「お前がやってみろ!」なんて論外なことがわかるだろう。
これは芸人に限った話ではなく、何かを世に出したにも関わらず良い意見以外はシャットアウトする人は良くいる。
特にTwitter界隈でもよく目にする。
どんなものでも世に出した瞬間に世間の評価に晒される。
もちろん誹謗中傷は論外だが、制作側には悪い評価も受け入れる覚悟が求められる。
良い意見しか聞きたくないという人はその覚悟が足りていない。
覚悟がないばかりか、言葉の意味を理解できない人たちもいて、自分の意に沿わないことを言われると「誹謗中傷」だと思ってしまう。
良い意見しか聞きたくないというなら、発表など辞めてしまえ。
では、また。