イベントの詳細は不明ですが、宇野常寛さんがカジサックさん(キングコング梶原)にいじられて、キレて帰ってしまったそうです。
宇野さんのTwitterを引用するとこんな感じ。
昨日のイベント、芸人のカジサックが僕と僕のチームに失礼な絡みをして来たのでウンザリして途中で帰った。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月3日
形式的な謝罪はあったけど「みんなが面白くなるためにした」と自己弁護を繰り返していた。
彼の「みんな」に僕らはなぜか入らないようだった。
お前には軽蔑しか感じないと告げて出てきた。
「みんなを面白くするために(宇野に嫌がらせを)しました」。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月3日
一晩経ってカジサックのこのイイワケ、本当にどうしようもないと思った。
なんで、お前中心の「面白さ」「盛り上がり」のため僕らが嫌な思いしなきゃいけないんだ?
こういうヤツがいるからイジメってなくならないんだなと痛感した。
何が言いたいかというと、みんなも今回みたいにつまんない奴に自分中心の舞台の悪役やいじられ役を押し付けられそうになったら、問答無用で帰るべきだということ。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月3日
「みんな」のために弱い人、少数派がだけが我慢する世の中が正しいと思うなら別だけど、そうじゃないならすぐにその場から離脱すべき。
インターネットという武器を手にしたとき、西野亮廣は誰も見たことがない魔法を使ってみせたが相方の梶原はネットなら自分はいじる側に回れると、テレビのイジメバラエティを縮小再生産することしかできなかった。
— 宇野常寛 (@wakusei2nd) 2019年2月3日
この差はとてつもなく、大きい。
才能というものの残酷さについて考えさせられる。
いじり芸は共同作業
そもそもいじり芸はいじる側の一方的な芸じゃなくて、いじられる側にもそれなりの対応が求められる芸なんですよね。
だから、いじられる側が協力してない時点で、芸として破綻しているんですよ。
いじられて本気でキレるのは0点の対応。
キレて帰るなんていうのは論外です。
でも、一般人はいじり芸に協力しなくても良いし、そういう能力も身に着けていない。
(宇野さんは一般人ではないと思いますが、お笑い芸人以外というところで、一般人と呼びます。)
いじり芸が面白くなるかは、いじり側といじられ側の掛け算なので、双方に技術が求められます。
どちらかの能力が低いと相当厳しい結果になりますね。
・ハリセンボンの近藤さん
・アンジャッシュの児島さん
あたりはいじられる技術がすごいですよね。
この方々は一般人が雑にいじっても、笑いを取っていきます。
いじられ役が下手な芸人は、あからさまにムッとする人ですかね。
あえて名前は出しませんが(笑)
まぁプロ同士なら、ムッとしたのを拾って上手く笑いに変えるとは思いますが。
一般人いじりは難しい
だから、いじられる側の能力が未知数の素人いじりは難しいんですよ。
一般人いじりをやる場合は、いじっても何も出てこない可能性も高い。
何も出てこなくてスベるだけならまだ良いですが、下手にやって怒らせると今回みたいに帰られてThe ENDになっちゃう。
芸人いじりが上手くても、一般人いじりはまた違った能力が求められる気がします。
一般人をいじるなら、「全部俺が何とかする!」っていう覚悟が求められる。
しかも、本気で怒らせる可能性もあるから、あまり過激にはいじれない。
その覚悟と力量もない芸人は一般人をいじっちゃいけないんですよ。
最近だと、芸人ニューヨークがパンツマンさんという料理動画を投稿している一般男性をひどいいじり方をして、パンツマンさんをキレさせて大炎上しましたよね。
あれはニューヨークの力が圧倒的に不足していました。
一般人のいじりが上手い芸人さんだと、南海キャンディーズの山ちゃんとか。
山ちゃんはすごい能力がありますよね。
平和にいじるしね。
そもそもキングコングが面白くない
今回の宇野さんの件ですが、そもそも梶原さんが面白くない。
梶原さんはプロの芸人同士でやっても微妙な空気になるくらい、いじり芸が下手。
そんな人が素人いじりをやっても、当然上手くいかない。
僕は今から10年以上前の2007年あたり、キングコング西野さんのブログ「西野公論」をウォッチしていたんですよ。
これは、毎晩長文で西野さんの熱い思いが綴られる、今流行りのビジネスとしてのブログとは全然違う代物だったんです。
今の西野さんは、ネタ・テレビ・ラジオっていう所謂「芸人」としての成功とは完全に別の方向に行って、実業家やインフルエンサーっていう感じですよね。
最近西野さんを知った人は、下手したら芸人って知らないんじゃないかな。
でも、その頃の西野さんは今とは全然違って、
漫才! M-1! 絵本!
「熱量」という抽象的でわかるようなわからないような単語を多用し、
「日本列島ドンガラガッシャン計画」というこれまたちょっと普通じゃない名前の計画を語り、圧倒的な「芸人」を目指していたんですよね。
絵本は今に通じてますけどね。
西野さんの今の方向は、自分が勝てるところで勝負するっていう意味で、良い戦略だと思います。
で、お笑いの方はどうかというと、キングコングのネタは西野さんが作っていて、それ自体があまり面白くない。
キングコングって賞レース結構獲ってますけど、それは圧倒的に練習をして、「その若さでその完成度!」っていうタイプの評価だったんですよね。
所謂早熟タイプ。
だから、芸歴重ねると逆に評価が下がるんですよ。
そんな感じで、キングコング自体が面白くないことに加えて、ネタが作れない梶原さんは自分発信でボケれないので更に面白くない。
ネタが作れないボケ芸人が必ずしも面白くないってわけではないのですが、
梶原さんは2007年のM-1の決勝で、円形脱毛症を見せるってセンスからもあまり面白くないのはわかると思います。
だから「同意のないいじり芸はいじめだ」って話の前に、
単純に梶原さんの力量がなかったのではないかという気がします。
これからの芸人さんに期待すること
俳優さんとか芸人じゃない人を上手くいじって笑いにするのって、今結構求められてるじゃないですか。
ハライチ岩井さんの言葉を借りれば、「お笑い風」というやつ(笑)
芸能人なので素人ではないですけど、お笑いが専門ではないって意味では一般人と一緒だし、キレさせたら一般人以上にヤバい。
そういうお笑いが専門でない人を上手くいじる能力って、今後の芸人さんに必要な能力なんじゃないかと思いますけどね。
いじり芸は歴史がある伝統的な芸だと思うので、芸人さんが妙に萎縮してやらなくなったら残念だと思います。
一般人いじりは特殊な能力が必要だと思いますけど、上手くやればいじられた方も笑いが取れて感謝されると思いますよ。
では、さようなら