【CDレビュー】Keeper Of The Seven Keys Part 2/Helloween【全曲コメント】
前に『Keeper Of The Seven Keys Part 1』のレビューを書いて、Part 2のレビューも近いうちに書くと言っておきながら、5か月経過……
今日は『Keeper Of The Seven Keys Part 2』をレビューをします。
ハロウィン・エクスパンディッド・エディション・コレクション 守護神伝-第二章
- アーティスト: ハロウィン
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2006/02/22
- メディア: CD
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1988年発表の3rdアルバム。
元々は『Keeper Of The Seven Keys Part 1』とセットで同一パッケージでリリースする予定だったとのことで、方向性としては似ているものの全体としてかなりレベルアップしている。
特にキャッチーさの進歩が著しい印象。
1.Invitation
アルバム全体のイントロダクション的な1曲。
1分程度の短めなインストだが、高揚感があり期待が高まる。
2.Eagle Fly Free
言わずと知れた代表曲で、このジャンルの最重要曲。
Helloweenの楽曲で一曲選ぶとすれば、この曲になるでしょう。
キスクの伸びかで澄み切ったハイトーンボイスが存分に生かされた、the メロディック・スピードメタル。
これまでのハロウィンで一番キャッチーな楽曲と思われる。
マーカスのタッピングを用いたベースソロも聴きどころ。
3.You Always Walk Alone
マイケル・キスク作曲の楽曲。
怪しい感じから始まって、疾走パートへ。
メロディアスな曲ではあるが、ヴァイキーやカイの曲とはまた違う感じで面白い。
1回目のギターソロはオリエンタルな 風味で味わい深い。
2回目のソロはロックだけど、ダークな味わい。
4.Rise and Fall
イントロの妙な笑い声がコミカルで、歌メロも何となくとぼけた感じ。
Bメロのブレイクが良いアクセントになっている。
サビは明るくてキャッチー。
ギターソロの最初のミュートフレーズはHelloween節といった趣。
色々と動物の声とか効果音も入っていて面白い。
曲の最後には口笛も。
5.Dr. Stein
アルバム全体としてコミカルな面が顔を出すが、この曲は特にコミカルな一曲。
ミドルテンポでキャッチー、曲のテーマはフランケンシュタイン博士らしい。
Helloweenがメタルの枠には収まらないバンドであることを示しているような。
前曲の「Rise and Fall」とともに、ヴァイキーらしい曲と言えるのかな。
間奏最後のオルガンパートが好き。
6.We Got the Right
これもマイケル・キスク作曲の曲。
静かな出だしから力強く展開していく。
ミドルテンポでどっしりと、しかしメロディアスに歌い上げる。
キスクの力強さが存分に堪能できる。
7.March of Time
カイ・ハンセン作のスピードメタルの名曲。
このアルバムではEagle Fly Freeに並ぶ1曲だと思う。
サビは壮大なコーラスと共に歌い上げる。
ライブのマーカスのパフォーマンスも面白い。
8.I Want Out
現在でも度々演奏される楽曲。なんならガンマレイでも演奏される。
9. Keeper of the Seven Keys
13分以上の長尺ナンバー。
前作収録で同じく長尺に「Halloween」と対になる楽曲。
落ち着いたアルペジオからの力強い展開からスタート。
長い楽曲だが目まぐるしい展開で飽きさせないし、サビのクサイメロディが素晴らしい。
10.Save Us
前曲でアルバムが終わりの雰囲気もするが、この曲は力強く疾走していくスピードナンバーで、アルバムラストにあることで全体が引き締まっている。
割とオーソドックスな楽曲で、ギターソロのツインリードが特にカッコいい。
土曜日の深夜に感受性
【CDレビュー】Keeper Of The Seven Keys Part 1/Helloween【全曲コメント】
Keeper of the Seven Keys Part 1
- アーティスト: Helloween
- 出版社/メーカー: Sanctuary Records
- 発売日: 2006/08/08
- メディア: CD
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1987年発表の2ndアルバム。
個性的ではあるが技巧的には決して上手い方ではなかったカイ・ハンセンがボーカルも兼任するスタイルに限界を感じ始めたHelloweenは、新たなボーカルを探し始めた。
そして加入したのか、このアルバムからボーカルを務めるマイケル・キスクである。
なんと当時の年齢は18歳。
マイケル・キスクの加入により、元々の持ち味であったキャッチーさに磨きがかかることになる。
このアルバムと次アルバム『Keeper Of The Seven Keys Part 2』でHelloweenの地位は確立された。
このアルバムは、メロディック・スピードメタルの教科書と言っても過言ではない。
後続のバンドたちは、ずっとこのアルバムを追いかけているとも言える。
それでは、1曲ずつ見ていきたい。
1. Initiation
アルバム全体のイントロダクション的な小曲。
もうお馴染みの「ロンドン橋落ちた」のメロディが挿入されている。
アルバムへの期待が高まる。
2. I'm Alive
前曲「Initiation」から切り込んでくるリフがとにかくカッコいい、言わずと知れた超有名曲。
ヘヴィなリフとキャッチーなメロディ。そのうえでマイケル・キスクの伸びやかな歌声が響き渡る、新生Helloweenの実質的な1曲目である。
力強さとキャッチーさが上手く融合しており、新生Helloweenの1曲目に相応しい傑作である。
短めな曲だが、ギターソロの尺が長い。
しかし、キャッチーなソロで全く飽きることなく一気に聴かせてしまう。
3. A Little Time
マイケル・キスクが加入後早速作詞・作曲を担当した曲。
ミドルテンポな曲で、どっしりと落ち着いたメロディを聴かせる。
正統派のメタルとは少し違う感じだが、メロディはキャッチーだ。
短めだがアバンギャルドなギターソロも聴きどころ。
間奏で挿入される目覚まし時計の音はご愛敬。
4. Twilight Of The Gods
明るいギターのメロディから始まり、ひたすら明るく疾走する。
少しコミカルな気がするが、それもHelloweenらしい。
サビ裏での2音単位のギターフレーズはHelloweenではお馴染みのフレーズだ。
カイ・ハンセン作曲の曲だが、カイが自ら歌っていたら全く違った仕上がりになっただろう。
キスクの伸びやかなボーカルによって素晴らしい仕上がりとなっている。
5. A Tale That Wasn't Right
アコースティックギターを前面に押し出したバラードナンバーで、キスクのソフトな歌声が曲によく合っている。
まるで、演歌のような哀愁漂うメロディだ。
泣きのギターも聴きどころだ。
6. Future World
2ndシングルになった楽曲で、今でもよく演奏されている。
メジャーキーでポップな疾走曲で、サビはみんなで合唱するタイプの曲。
実にカイ・ハンセンらしい曲となっている。
マイケル・キスクの驚異的な音域の広さが存分に生かされている。
間奏の効果音祭りの部分も面白い。
7. Halloween
13分を超える長尺の曲で、目まぐるしく展開していくプログレッシブな曲。
バンド名を冠するだけあって圧巻の仕上がりだ。(この曲は綴りが本物のHalloweenの方だが)
不気味なメロディから、Black Sabbathを思わせるようなダークな色合いのリフに突入。
長い曲だが巧みな展開でダレることなく一気に聴かせてしまうのは、さすがHelloweenといったところだ。
所々で主張してくるマーカスのベースプレイに注目するのも面白いと思う。
随所に配置されているギターソロも聴きどころ。
8. Follow The Sign
アルバムのアウトロ的な小曲。
短い曲ではあるのだが、コンセプトアルバムとしてこの曲の歌詞が重要になってくる。
【コラム】イキリ芸人には退場してもらいたい
活動の幅がどんどん広がる芸人
芸人の活動の幅がどんどん広がってきている。
テレビ番組でも純粋なお笑い番組だけでなく、一見お笑いとは全く関係のない番組に芸人がキャスティングされているのも良く見かける。
テレビ以外でも、小説を書く芸人、音楽をやる芸人、政治について語る芸人等々他の分野への進出が目立つ。
他分野への進出は、笑い×〇〇のアプローチが可能となるため、これまでにないものが生まれる可能性がある。
世間でも「副業」ではなく「複業」の時代だなんて言われているので、専門分野にこだわらず色々な活動に手を広げていくのは良いことだと思う。
非芸人がお笑いに進出することを許さない芸人
お笑い芸人が見下されていた時代の反動
かつて、お笑い芸人の地位はとても低かった。
芸人の地位の向上それ自体は良いものだが、それとともに調子に乗る人たちが出てきた。
芸人の地位の向上は先人たちが少しずつ積み重ねてきたもので、もちろん一気に変わったわけではない。
ターニングポイントとして、芸人の地位を引き上げたうえに笑いを高尚なものという風潮を作ったのは、ダウンタウンの松本人志だと思う。
一つの職業の社会的地位を引き上げたという意味では、その功績は大きい。
しかし、副産物として必要以上に調子に乗る芸人を生み出してしまった。
当然ながら地位が上がれば、他分野の人を見下して良いということにはならない。
批評を許さない愚か者
SNSで一般の人の感想が容易に本人に届く時代だ。
芸人のネタやテレビ番組の感想をSNSに書き込む人も多い。
単に面白かった、つまらなかったレベルでなく、細かく批評している人もいて、なかなか読み応えがある。
しかし、それを読んだ芸人で「素人が笑いを語るな!」とか「お前がやってみろ!」と言ってしまう残念な人もいる。
そういう人に率直に言いたいことは、金輪際客の前で芸をやるなということだ。
芸人になった目的として大きいのは、「同業者に評価されたい」ではなく、「客を笑わせたい」というものだろう。
客にネタを披露すると、当然良い反応も悪い反応もある。
「素人」に笑いを評価されたくないのなら、同業者相手に披露して一生馴れ合っていれば良い。
「お前がやってみろ!」という言説については、客側は当然芸人と同じレベルでネタをできるはずがない。
何故なら、客は「芸」というサービスの受け手で、芸人はサービスを提供する側だからだ。
悪い評価が返ってきて、自分の仕事を放棄し受け手に「お前がやってみろ!」なんて論外なことがわかるだろう。
これは芸人に限った話ではなく、何かを世に出したにも関わらず良い意見以外はシャットアウトする人は良くいる。
特にTwitter界隈でもよく目にする。
どんなものでも世に出した瞬間に世間の評価に晒される。
もちろん誹謗中傷は論外だが、制作側には悪い評価も受け入れる覚悟が求められる。
良い意見しか聞きたくないという人はその覚悟が足りていない。
覚悟がないばかりか、言葉の意味を理解できない人たちもいて、自分の意に沿わないことを言われると「誹謗中傷」だと思ってしまう。
良い意見しか聞きたくないというなら、発表など辞めてしまえ。
では、また。