明け方

紅の季節。
窓を開けて明け方の温度を身体に感じる。
そして、カスみたいな自分の人生を想う。
どこで間違えたのだろうか。
これという明確なポイントはなく、グラデーションのように堕ちていき、気づけばこの様。
感傷の海に溺れて何の意味もない時間。
まるで時間が溶けていくようだ。
思わず部屋を飛び出して、車に乗り込み明け方のハイウェイに駆け出していく。
いつの間にか夜が明け、空が白み始めて僕を照らす。
僕自身が晒されていく。
辺りはオレンジ色に染まっていく。
悲しいくらい鮮やかに。
まるで僕を嘲笑うように。
東京午前5時。
街が動き出す。
ひっそりと。
しかし確実に。