【CDレビュー】Ecliptica/Sonata Arctica

こんにちは。
神矢翔( @kamiya_S25)です。
 
今日はCDのレビューをしてみたいと思います。
紹介するのは Sonata Arcticaの『Ecliptica』
 
Ecliptica

Ecliptica

 
  
 

【収録曲】

1.Blank File
2.My Land
3.8th Commandment
4.Replica
5.Kingdom for a Heart
6.FullMoon
7.Letter to Dana
8.UnOpened
9.Picturing the Past
10.Destruction Preventer
11.Mary-Lou (日本盤ボーナストラック)
 
北欧の荒野の澄み切った空気。
寒空の下、力の限り疾走する。
自然と涙が溢れてくる。
このアルバムを言葉で表現するとそのようになる。
 
フィンランドのメロディック・スピードバンドSonata Arctica1999年発表の1stアルバム。
美旋律の洪水であるこのアルバムで、一躍人気バンドとなったらしい。(自分の年齢的にリアルタイムでは聴いていないので。)
Sonata Arcticaで好きなアルバムというと、このアルバムか2stSilence をあげる人が多いのではないでしょうか。
 
何曲か印象的な曲をピックアップしていきたいと思う。
1.Blank File
アルバムのトップを飾る疾走ナンバー。
この手のジャンルの音楽は1曲目にアルバム全体のイントロとしてインストが配置されて疾走曲になだれ込むという構成が定番だけど、このアルバムはインストなしでいきなり疾走曲から始まる。
しかもこの曲にはイントロすらほとんどなくて、ドラムのフィルの後いきなりボーカルが入る。何とも潔い。
曲はひたすら疾走系で、そこにハイトーンで極上のメロディが乗る。
これぞメロディックスピードメタルという楽曲。
間奏では、ギターとキーボードのバトル形式のソロで盛り上げる。その後に来るハモリは正に絶頂。
 
6.FullMoon
来ましたね。このアルバムのキラーチューンです。
ピアノのみの静かでドラマティックなイントロから始まって、疾走パートに突入。
サビのメロディはみんなで合唱するためにあるようなもの。
間奏のギターとキーボードの掛け合いは必聴。
哀愁漂っていて、このアルバムで一番北欧感がある楽曲ではないでしょうか。
 
8.UnOpened
9.Picturing the Past
10.Destruction Preventer 
3連続で速い曲で、テンションが上がる部分。
(日本版ボーナストラックまで含めると4連続。)
 
8.UnOpenedはチェンバロのクラシカルなイントロから最後まで一気に聴かせてしまう。
9.Picturing the Pastはイントロのギターとキーボードが印象的で、そのあとも随所で同じメロディが登場する。割と荒々しい雰囲気。
 
10.Destruction Preventerは7分半の大作で、静かなパートから始まって結構展開もあるので、疾走一筋という曲ではない。ある意味では Sonata Arcticaの全てを詰め込んだ曲と言えるかもしれない。
 
 

マイナスポイント 

 
全編に渡って極上のメロディが展開されているこのアルバムだけど、マイナスポイントもいくつかある。
①演奏内容の単純さ
これは圧倒的な歌メロと表裏一体ではある。
ボーカルの裏で楽器が複雑なことをしていると、ボーカルが引き立たない。
でも、それにしてもとは思う。
ドラムは単調なツーバスドコドコがずっと続いて、フィルも単純な連打系が多い。
ギターはソロこそしっかり練られていて聴きごたえがあるものの、バッキングはかなり単純。
ほとんどが白玉のパワーコード、ブリッジミュート絡みの刻みという内容。
ギターの地味さはメタルアルバムとしては、結構マイナス要素だと思う。
 
②危なっかしいハイトーン
トニー・カッコのハイトーンがかなり苦しそうで危なっかしい。
例えば、1.Blank Fileの2番サビの高いところとかかなり厳しいですね。
Sonata Arctica2014年にこのアルバムの再録版である「Ecliptica-Revisited 15th Anniversary Edition」をリリースしているのだけど、キーを下げている曲も結構あるみたい。機会を見つけて聴いてみたいと思います。
 
 
いくつかのマイナスポイントはあるにしても、メロディック・スピードメタルの歴史に残る1枚であることは疑いようもなく、この手を音楽を聴こうと思うなら必聴盤です。